本学は1964年の理学部設置に始まり、1974年に大学院理学研究科修士課程を、1983年には理学研究科博士課程(後期)を設置しました。さらにその後、テクノロジーの飛躍的発展を反映し工学部と工学研究科を、情報化社会の進展を反映し総合情報学部と総合情報研究科を、そして地球規模の環境問題意識の高まりとともに生物地球学部と生物地球科学研究科を、それぞれ設置し有為な人材を輩出してきました。
一方で近年、脱炭素社会の実現に向けての世界的な取り組み等、人類が直面する問題はグローバル化するとともに、こうした課題解決のために科学技術に求められる役割は複雑多岐の様相を呈し、学際性と技術革新を生み出すための深化の両方が求められるようになってきています。したがって今後、理工系大学院の果たすべき役割は、専門分野を体系的に再編するとともに、俯瞰的な立場で教育および研究指導を行い、専門性の高い知識と能力を兼ね備えた有為な人材を社会に輩出し、社会の諸問題の解決に資することにあります。
本学において、これからの社会において必要とされる科学技術系人材育成という観点から、大学院の在り方について検討した結果、普遍的なスキルとリテラシーを高い水準で身に付ける場であるとともに、専門的な知識と能力を修得し、社会と自然との共生を実現可能にするために必要なグローバル課題解決能力を有する「知のプロフェッショナル」を輩出する組織であるべきとの結論に達し、本学の理工系分野の4研究科を発展的に統合・再編し、理工学研究科として新たに設置することとしました。